ギグ用のハモンドとしてNord C-1を使っているわけですが、約15Kgという重さは手持ちで運ぶのはちょっと厳しいものがあります。もっと気軽に持ち運べるよう、現時点で最軽量のハモンドクローンSK-1を買ってみました。7kgなので純正の背負い型ケースにいれれば何とか持ち歩ける重さです。さっそく某店のジャムセッションに持ち込んで、店のベーアンにつないで弾かせてもらいましたがなかなかいい感じでした。
軽量1段ハモンドというと最近出たばかりのハモンドXK-1cもちょっと気になってました。SK-1からピアノ等のエクストラボイスを抜いて2万円ほどお安くなったモデルです。自分はエクストラボイスの音源はたぶん使わないのでちょっと検討しましたが、XK-1cはツマミ類を省略したためにマスターEQとリバーブのツマミがありません(液晶のエディット画面に入らないと変更できない)。常に同じ環境で使うならまだしも、いろいろなところに持ち込んでいろいろなアンプにつなぐことを考えるとこれは大変不便です。実際Nordでも演奏中に環境に応じてEQやリバーブをリアルタイムでいじるケースがよくあることが経験上わかっています。また、エンドブロックが木製になっていることで500gほと重量増になっていることもあり(手で運ぶ為に買っているので500gの差は結構大きいです)、XK-1cはやめておきました。
もうひとつの1段軽量ハモンド製品としてはNord Electro 4Dもあります。SK-1と比較してちょい重でちょい高ですが、Nordのピアノの音は格別ですし、オルガンの音も本家ハモンドよりも立つ感じで好みです。しかし、なぜかElectroにはオルガンのペダル鍵盤の音源が含まれていないので対象外となりました(ペダル鍵盤の音なんて大してメモリもくわないのになぜ省略するんでしょうか)。
さて、SK-1なんですが弾きなれたNord C-1と比較するとどうも音が立ちません。特に通常のベーアンにつなぐと音がもやっとします。揺らぎが大きすぎる感じです。こっちの方が本物ハモンドに近いのかもしれませんが、ちょっとでもNordに近づくよういろいろエディットしてみました。Nordと比較して圧倒的にエディットのパラメーターが多いのでいろいろ実験できます。SK-1(あるいはSK-2)のオーナーの人にしか関係ないと思いますが、どういうエディットをしたかをまとめてみました。
1)鍵盤の発音位置を浅くする
デフォルトでは通常のシンセのように鍵盤を底まで押さないと発音しないようになってますが、ちょっと触っただけで発音できるように変更します。これはオルガンとしてのプレイヤビリティに大きく影響しますので重要です。この機能は2012年11月のアップデートで追加されているのですが、これほど重要な機能がなぜ最初からなかったのか正直理解に苦しみます。
2)EQで中域を持ち上げる
どうもNordと比較して中域が薄い感じがするので、EQ(ツマミのEQではなくて液晶メニュー内のEQ)で、MIDの周波数を2Khzにしてゲインを最大(+9)にします。ツマミのEQでもさらに補強できます。
3)レスリー効果を控えめに
レスリーをバイパスして弾くと結構立つ音がするのにレスリーシミュレータを入れたとたんにもやっとした音になることから、SKのレスリーシミュはあまり出来がよろしくないことがわかります(海外の掲示板を見てもVentilatorなどの外付けシミュを使っている人が多いようです)。レスリーの効果が強すぎるような感じがするので、レスリーのマイク距離を最大(2.7m)にします。また、角度も、アンプはモノでつなぐので0度(ステレオ効果ゼロ)にします。ついでに、メニューのSYSTEMの項目にあるOUTPUTをMONOにしておいた方がよいと思われます(通常のシンセのようにジャックのR側のみにケーブルを挿しただけではMONOモードにならないみたいです)。さらに、レスリースピーカーの音量をHORNもROTORも-8くらいまで下げます。これでうねりが過剰にならずに芯のある音がするようになります。あと、好みもあると思いますがHORNの特性(HORN CHARACTER)はFLATにします。
4)トーンホイールはクリーンに
これも好みの問題ですが、どうせオーバードライブをかけて汚すことになるので、トーンホイールはリーケジのないクリーン(MELLOW)にします。
5)オーバードライブをEpAmpに
これまた好みの問題ですがオーバードライブのモードがTUBEだとジャズ向けではかかりすぎだと思うのでEpAmp(フェンダーローズスーツケースの歪みですかね?)にするとちょうど良いと思います。
あとは、パーカッションの音量とキークリック音をちょっと大きめにして、ツマミのマスターEQをちょっといじるとかなり好みのサウンドに近づきました(それでもNordと比べると不要な揺らぎが大きすぎるような気がします)。Ventilaorなどの外付けのレスリーシミュ&チューブオーバードライブをつなぐともっとよくなる気がしますが携帯性を犠牲にすると本末転倒なのでやめておきます。
まあ、ジャムセッションで弾く分には十分すぎるほどなので、いろいろなところ(土曜日のイントロのように激コミの場所は除く)に持って行こうと思います。
追加です:
6) EQの画面に、B3の特性を再現しているとされるTC(Tone Control)という設定がありますが、B-3の再現性は無視して最大値(+9)にします。
7)ビブラート/コーラスもちょっと揺らぎすぎな感じがするので、トレモロ効果(TREM)とエンファシス(EMPH)をいずれも0にします(これは好みかも)。
8)これはちょっと迷ってますが、レスリーのアンプタイプを思い切ってTubeからSolidにするとさらに音が立っていい感じな気がします(接続するアンプとの相性もあるかもしれません)。
posted by kurikiyo at 22:30|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
ハモンドオルガン(濃い)